見出し画像

イノベーションを起こそう!書籍『イノベーションの競争戦略』と『コテンラジオ』に見出す共通点

外資サラリーマン&エンジェル投資家の坂本達夫です!いきなりですが皆さん、イノベーション起こしたいですよね?

お友達が一部執筆に参加した本イノベーションの競争戦略を読んでみたところ、大人気 podcast 番組『コテンラジオ』で何度か耳にした『歴史上の大きな変化』との共通点がなんとなく見えてきました。

そもそもイノベーションって?

イノベーションは日本語ではよく『技術革新』と訳されますが、本著では技術革新はあくまで『イノベーションを起こす 1 つの構成要素』と捉えています。

この本では、イノベーションを『これまでにない価値の創造により、顧客の行動が変わること』と定義しています。(すがけんさんがよく言ってる『価値は相手の変化量』に通じるものがありますね)

イノベーションを起こす源泉になるのが
✅ 社会構造の変化
✅ 心理変化
✅ 技術革新

の 3 つのドライバーから構成される『イノベーションのトライアングル』

それによって起きた『これまでにない価値の創造』により、
顧客の態度が、続いて行動が変容し、
その行動変容が不可逆だった場合のみ、社会変化が起きる

この一連の流れを総称して『イノベーション・ストリーム』と定義しています。

Google日本法人が入っているビルは『渋谷ストリーム』です

社会構造の変化は、社会全体に起きることもあれば、特定業界のみで起きることもあります。

心理変化が必要な理由は、人々は『従来の暮らしや価値観に留まろうとする』特性を持っているからです。特に、伝統や経験に根ざすものについてはこの特性が顕著です。(海外にビジネス展開する際に『異文化理解』が重要な理由はコレ)

心理変化は自分たちにとってプラスに働くこともあれば、逆風に働くこともあります。また、マーケ・PR によってプラスの心理変化を実現することも可能です。

技術革新については『あれば良い』ものではない、十分条件ではありません。技術はスゴいけど誰も使わない、ってことは往々にしてあります。ただし、『ないとダメ』な必要条件です。

歴史との共通点を紐解いていくよ

まずこの時点で、歴史的な大きな変化が起きるときと共通点が多いですよね。

例えば
🤔 贖宥状売ってマネタイズとか教会ヤバくね?(社会的変化)
💡 活版印刷 (技術的変化) → みんな聖書を読むように
→ ローマ・カトリック教会の命じる儀式より、信仰こそが重要だよね (心理的変化)
といった構成要素が起こした結果が宗教改革であり、そこから生まれた『プロテスタント』はまさに不可逆的変化。それらはさらに資本主義・自由主義という別の社会変化に大きな影響を与えました。

コテンラジオが必ず最初に社会背景を説明するのは、社会構造や心理の変化を理解しないことには、何故その変化が実現したのかが分からないんですよね。技術だけとか、社会のニーズだけとか、どれか 1 つだけではダメなわけなので。

変革のバトン

イノベーションの競争戦略にはまた、後発でも逆転で勝者になることがあると記載されていました。文中の言葉を借りると、インベンター (発明者) がイノベーターであるとは限らない、と。

イノベーションの厳選になる『価値』は、既存のものの流用・転用でもよい。そのかわり
✅ サービスを磨き込み、利便性を高める
✅ 利用シーンをバチッと当てる
✅ 安心感を持たせる
✅ 市場を変える
といったことを通じて、顧客の変化・社会変化に働きかけることが可能です。

これもまたコテンラジオでよく聴くあのパターンとよく似ています。それは『新しい技術の発明』や『新しい思想・概念のブチ上げ』をする人と、それを社会実装する人・社会に変革をもたらす人が全然別、っていうアレです。

ぼくはこの考えが凄く好きです。勇気がもらえるというか。仮に自分が大きなコトを人生で成し遂げられなかったとしても、自分が誰かに与えた影響によって、その誰かが (なんなら自分の死後に) 世の中を良く変えていく、ってことがあり得るってことですよね。自分自身の意思とは関係なく。

なので、自分が世の中に大きな変革を与えられるかどうかという『結果』に捉われすぎることなく、とりあえず『善く』生きよう、と僕は思うようにしています。

イノベーターであり続けるために

またこの本イノベーションの競争戦略から、『イノベーターであり続けるのが難しい』というトピックを取り上げます。顧客心理や社会構造は常に変化し続けるし、技術も新しくなる、なので一度イノベーターになったとしても後から逆転され得るからです。

これは歴史を振り返ると至極もっともです。その当時よしとされた価値観や制度が変わったり、なんなら真っ向から否定されてしまう。自分にとって追い風だと思っていたら、気づけば逆風に変わってしまう。
とても再現性がある現象です。

そのために必要なこととして、本の中ではこういう整理がされていました。

❶同一顧客を相手にする場合
(1)顧客接点と顧客理解を大事にし、変化をとらえ、そのインパクトを創造する
(2)ビジネスの中身とはある程度独立したブランド認知を築くこと (製品を問わず、この会社は面白いプロダクトを作る会社だ、と思わせるみたいな)

❷異なる顧客を相手にする
(1)自社の強みを概念的に理解する
(2)これまで顧客としてこなかった人の声を吸い上げる仕組みを持つ
(3)次に起きるトレンドを予測し、自社の強みを適用できる機会を探す

ユーザーインタビュー大事だよとか、営業がプロダクトにフィードバックをする重要性とかは、このへんにあります。出来ていない会社 (ユーザーの解像度が高い!!と自信持って言えない会社) は、陳腐化する運命にあると思って、経営者さん大いに焦りましょう。

日本からイノベーションを起こす上での課題

最後に、本著で書かれていた日本の問題・課題についても考察します。

イノベーション、つまり不可逆な社会変化を起こすには、冒頭で述べた『ドライバー』が全て揃ったとしても、数年単位の時間が必要です。それは、新しい社会通念や新しい心理が浸透しきるには時間がかかるからです。

場合によっては今生きている人間を変えるのが難しく、世代交代を経ないと実現しない類の社会変化もあるでしょう。歴史的にもそのようなものは多くありました。

なので顧客や社会が『変化しきるまで続ける』ことが必須条件になってきます。

それを実現するには、続ける体力が必要です。会社や組織でいうと、きちんと事業化してお金が回るようにして、かつ、ひっくり返されないよう競争優位を築かないといけないのです。

良いことをやっているところほど『儲からなくてもいい』ではなく、『目的である社会変化を実現するために、儲けないといけない』のです。清貧、もいいんですけど、それで実現したい未来は実現できるのか、と冷静に問うてみてもいいかもしれないですね。

加えて、本著では持っておいた方がよい考え方として『自前だけでやろうとしない』『インベンターになることにこだわらない』ということも主張されていました。

前述の通り、イノベーションを起こすために必要な技術は、既にあるもので OK なんです。というより、歴史を振り返ると、それぞれの要素や考え方をブチ上げた人と、それを組み合わせて、活用して、社会変革を起こした人や出来事とは、別々であることのほうがなんなら多いのです。

技術革新を起こした人や、新しい思想を提案した人より、それらを使ってイノベーションを起こした人のほうが偉い…というわけではありません。だって、それらの要素がないと、イノベーションは起きなかったんですから。

さらには、そのイノベーションも今はポジティブに受け入れられてるかもしれないけど、時代が変わればネガティブな評価をされるかもしれないんですから。
なので、イノベーションを起こせば後々から評価される…というわけでもない。

どうすりゃいいんでしょうね。

まぁ、僕たちの『歴史的にみた評価』が決まる頃には、僕たちはもう生きていないので、安心してください。後世からどう評価されるかは自分ではコントロールできないので、自分が得意な領域で命を燃やしましょう。誰かがきっとバトンを拾ってくれることを祈って。

本とコテンラジオを両方消化してないと意味分からない文章になっちゃったかもしれないけど、もし興味持っていただいたコテンラジオリスナーの方は本もぜひ読んでみてください。

本の読者の方は、毎朝 1 時間お散歩しながらコテンラジオ聴いてみることをオススメします👍そして僕と感想を語り合いましょう。笑

そんな感じですかね!

この記事が参加している募集

この記事が学びになったよという方は、少しでもサポートいただけると、今後も役に立つ記事を書くモチベーションになります。記事への「スキ」やSNSシェアも大歓迎です!応援してください!