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【ざっくり実況】スイスの金融業が発達した背景を歴史から考察

興味持ったので調べてみました。コテンラジオで背景となる知識 (ビザンツ帝国、宗教改革、フランス革命、とか) を多少得ていたので、すっと入ってきたし楽しめました。これがリベラルアーツの力か。笑

中世

西洋史における中世、だいたい 5 〜 15 世紀。ヨーロッパは東ローマ帝国 (火ビザンツ帝国) がブイブイいわせていました。ローマ帝国の東西分裂 (西はのちに滅亡) を経て出来たこの帝国は、簡単にいうとカトリック教会の中心ってことで宗教的権威がすごい強かったんですよね。"神聖" ローマ帝国って呼ばれるぐらいなんで。

『人権』の概念がまだ存在しないこの時代は、国王・領主・家臣という主従関係、身分がバシッと分かれた封建制度によって統治されていました。

なんで国王が偉いのか? という理論的根拠が『カトリック教会に認められている』こと。神様にその権威・権力を後ろ盾してもらってるんやで、っていうロジックですね。

逆に言うと、ある国・領土が社会的・政治的に認められる・生き残るためには、神聖ローマ帝国の庇護が必須だったわけです。

この時期のスイスはしかし、山岳地帯で資源も少なく、帝国からすると支援・保護する理由・魅力のない地域でした。軽視されていたんですね。

なので、『州』みたいな自治単位のいくつかが、互いを防衛し、助け合うことで自衛していました。それが中世のスイス。

宗教改革とナポレオン

16 世紀にドイツで始まった宗教改革だが、スイスはツヴィングリ (チューリヒ) やカルヴァン (ジュネーブ) などが活躍する、ムーヴメントの中心地でした。

しかし、プロテスタントがすぐに主流派になったかというとそういうわけでもなく、カトリックとプロテスタントは今でもまぁまぁ均衡しています。

16-17 世紀にはこの宗教的対立を背景にした内戦が何度も起きており、これによってスイスは国外に背を向け、国内情勢にフォーカスせざるを得なくなります。近隣諸国が立憲君主制に傾くなか、民主主義国家という独自の歴史的発展に走ったのはこれが背景でした。

その次の大きな出来事が、ナポレオンの進出と、それ以後のウィーン体制です。フランス革命を経て『人権』の概念が生まれ、それをナポレオンがスイスに持ち込んだことで、はじめてこの国にも『法の下の平等』がインストールされました。

そしてウィーン会議で欧州列強の承認を受けて、『中立国スイス』が誕生しました。イタリア・フランス・ドイツ・オーストリアに囲まれたこの地は、どの勢力にも与しない『緩衝国』という立場を確立していくことになります。

このへんの経緯は、スイスが自ら選び取ったというよりは、外部の影響を受けてそうなっていったというものなので、あまりスイス人は積極的に語りたがらない…という記事も見ました。

スイスの金融業が発達した理由

こんな地政学的な背景が、スイスの金融業が発達した理由となっています。

スイスには UBS、クレディ・スイスといった銀行や、チューリッヒなど保険会社がいくつか有名だ - が、時価総額の世界ランクで見るとゆーほど大したことはない。スイスが世界一なのはプライベートバンキング、つまり富裕層向けの資産管理サービスの、管理資産総額です。

プライベートバンキングに期待されることは何だろうか?資産を『増やす』こと?それももちろんあるんですが、よりクリティカルなのが資産を『守る』ことです。

円安&株安 (&クリプト安) が日本を襲っている現在 (2022年6月末) は特に想像しやすいと思いますが、資産が減るのってホント嫌ですよね。(ため息) なので、資産を預けるのであればより安全なところが良い。中立国で、戦争リスクが少ないっていうのが、その点でめちゃ有利なんです。

もちろん制度上『銀行秘密主義』をとっているってこともあるんですが、それにしたって国自体が西側か東側かどっちかの軍門に下るリスクがある中だと、安心できないですよね。


と、こんなかんじで、スイスという国で金融業、特にプライベートバンキング業が発展した理由を、歴史から考察してみました。1 時間ぐらいでざーっと調べただけなので、荒い内容ですけどね。勉強になりました。

そんなかんじです!

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Tatsuo Sakamoto (坂本 達夫)
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