Googleが対ローカル企業で苦戦しつつも後から大逆転した話
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Googleが対ローカル企業で苦戦しつつも後から大逆転した話

この記事は、先日 SmartNews 三木さんの Podcast 番組『三木鉄也のミキミキ!アドミキサー』にゲスト出演した際の内容を一部抜粋したものです。よければ是非、全編通して聞いてみてください。
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前回記事から読みたい方は:黒歴史!僕のデジタルマーケティングとの出会い (新卒で楽天に入社してから、マーケティングの仕事(とは呼べないレベル)を始めるまで)

三木:(楽天から転職して) Google に入ったのは、何年ですか?

2011 年夏です。アプリ広告市場がこれから盛り上がるぜ、ってタイミングですね。

三木:AdMob の買収って、それぐらいでしたか?

2009 年ですね。僕が入った 2011 年は、元々買収前から AdMob にいた人が、徐々に Google 内の他部署に移っていったり、逆に Google の人が AdMob に混じっていってたフェーズでした。

そこからアプリ市場が盛り上がってくれて、キャリア的には本当にラッキーでしたね。

三木:私もちょうど、その時期はエイトクロップスという会社 (ファンコミュニケーションズ子会社) にいました。当時、私が所属していたファンコミは nend (スマホ向けアドネットワーク) を 2012 年ぐらいから運営していましたね。

nend さんには煮え湯を飲まされました(苦笑)。

対ローカル企業で苦戦していた Google

nend さんが日本ですごく伸びたじゃないですか。それを見ながら、僕らは「AdMob もこういうプロダクトを出さなければならない、こういう機能を作らなければならない」と、本社に提案を行っていました。

例えば、アイコン型広告を AdMob に導入してはどうか、とドキュメントを作って提案もしました。

ですが当時の AdMob は、買収して Google の既存システムとは完全に独立したものとして動いていたものを、Google システムの中に統合しようとする裏側の開発にリソースの多くを割いていたんですよね。

新機能を開発するとなると、裏側の統合が終わった後でないと、無駄が生じてしまいます。そのため、新規機能が開発できず待たなければならない状態が、1 年半ほど続いたのです。

明らかに、市場のニーズを nend さんや、アイモバイルさんといった他のプレーヤーが埋めに行っているのが分かっているのに、"一世代前" のプロダクトを持って「使ってください」と営業に行かなければならなかった。当然、契約は取れない状態が長く続きました。

外資系企業の日本進出は、こんなに辛いことがあるのか...と思った原体験になります。

逆に、外資系企業がクイックに満たせないニーズを取りに行けば、国内企業でも戦えるということも、それで分かりました。

ただ、(2015 年に) 僕が抜けた後は、システムインテグレーションが終わり、Google に出稿している広告主の案件が、そのままアプリに流れてくるようになりました。それによってデマンドパワーが圧倒的に強くなります。

それまで「AdMob に出稿しましょう」と営業で広告主を取っていましたが、Google の広告主 "全て" がデマンドとして入ってくる状態になると、プロダクトのわずかな差異がどうこうではなく、圧倒的なバイイングパワーにより単価が他よりも高くなりました。

それによって、マーケットを席巻していくのを見て、グローバルプラットフォームが本気になったときの怖さも経験しました。

三木:そのとき競合じゃなくて良かった(笑)。

AppLovin への転職の経緯

三木:そこから、Applovin さんに転職されています。一号社員になった経緯を、ぜひ聞かせてください。

きっかけになったのは、2015 年の GDC (Game Developers Conference)です。毎年春にサンフランシスコで開催される大きなゲームイベントなのですが、そこで 2 つの出会いがありました。

GDC の少し前に、Applovin のリクルーターから、LinkedIn で「日本へ進出するんだけど興味ない?」ってメッセージをもらっていました。

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当時 AppLovin のことを全く聞いたことが無かったので、しばらく無視していたのですが、GDC でサンフランシスコへの出張が決まったことで、「そういえばサンフランの会社からメッセ来てたな」と思い出したのです。

「忙しいけど、少しならオフィスに行ってもいいよ」と、偉そうなメールを返し(笑)、会いに行きました。

そこで、当時日本人の 1 号社員として、当時から AppLovin 本社で働いていた林さんと会い、どのようなビジネスをやっているのかを聞きました。これが AppLovin との出会いです。

もう 1 つは、GDC の ”Crossy Road”というゲームのセッションです。昔はやったのを覚えてますか?

三木:高速道路を鳥が横断するゲームですね。

そうです。今のハイパーカジュアルの走りのようなものだと思うのですが、そのデベロッパーの方が講演で、「3 人で作ったゲームが、3 ヶ月で 10 億円稼いだ」というのを聞いたのです。しかも、バナーやインタースティシャル広告を一切使わず、動画リワード広告のみで。

バナーやインタースティシャルは基本、ユーザーにとって邪魔になるので入れたくない。しかし、動画リワードという、リワード欲しさにユーザーが "自発的に" 見る、新しい広告フォーマットで稼いだ...という話を聞き、"ビッグウェーブ" が来そうだと感じたんですよね。

(編集注: 当時の講演の模様はこちら)

振り返って Google の中を見ると、長い歴史上、Google は "広告をクリックする" "広告を見る" といった行為に対して何かしらのインセンティブを与えることは、会社的に絶対にやらない、タブーに近いものだったんです。

そのため、明らかに大きな波が来るのに、Google はしばらくやらないということが分かり、「もったいない、この波に乗りたい」と感じるようになりました。

といった経緯で、受けてみたら AppLovin からオファーをもらいました。また、もう 1 つ Chartboost も日本進出した直後で、日本 2 人目としてオファーを頂いて。どちらも動画リワードがあるため迷ったんですが、2 人目よりも 1 人目の方が面白そうだと単純に考えて、AppLovin に決めました。

(編集注: そのときの意思決定について書いた note はこちら)
本記事はここまでです!いかがでしたか?反響がある限り書き続けるのでwぜひコメント、シェアなどいただけると嬉しいです。一応続きは、AppLovin が日本で成功した要因、海外プロダクトのローカライズ、『辞めた社員にもストックオプションを』という記事を書いた理由、などを予定しています。
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Tatsuo Sakamoto (坂本 達夫)

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モバイルアプリマーケティングの専門家です。外資系広告プラットフォーム企業勤務。ちょっぴりエンジェル投資なんかもしてます。アプリ開発もやってます。