2020_初投稿

すがけんさん @xxkenai の「人口の2%、20%、78%」の記事を読んで考えたこと

考えたこと、というか、以前から考えていたのと近い領域のトピックがいくつかあったので、深夜のノリと勢いで書き殴ってみようと思います!

元記事はこちら↓

画像1

特別寄稿「これからの人口減少時代に、日本の企業はどう生き残るのか〜人口の2%、20%、78%のビジネスを見極めて、企業やあなたが生き残るには〜」

超気合い入ってて素晴らしい内容なので、一読の価値あり!

本文とは関係ないけど、ちょうど1年前の2019年1月に、すがけんさんにBtoBプロダクトの営業・マーケティングについて教えてもらってblog書いていました。懐かしいなぁ。今読み返しても良い記事だw

デジタル広告予算の大部分がGAFAを中心とした海外企業に流れてしまっていることについて

身も蓋もないけど、これはもう構造上、仕方ないと思う。特にパフォーマンス広告の分野。

パフォーマンス広告って突き詰めると最後はプロダクト力の勝負になるんですよね。営業力とかソフトパワーも影響がないわけではないけど、大勢をひっくり返すほどの力はない。

GAFAってグローバルにビジネスを展開してて、多少のローカライズ(UI上の翻訳)はしてるけど、基本はHQ(本社)で作ったプロダクトを全世界でマネタイズしている。

すると、例えばエンジニアが1万時間使って作ったプロダクトが、日本だけで展開してると1億円の収益にしかならないけど、グローバルだと10億円の収益を生む、って構造になる。

(ある程度成熟したら、グローバルな広告プロダクトだと、日本からの売上ってだいたい世界の10前後2-3%ぐらいになるイメージ。Twitterとかはその倍ぐらいだったかな確か。うろ覚えなので違ったら教えてください)

そうすると、単純な話で、①エンジニアに10倍の単価を払える (= より優秀なエンジニアを採用できる) または ②最大10倍の数のエンジニアを雇える となるので、プロダクト開発力で圧倒的に差が出てしまう。

画像2

エンジニアもビジネスサイドも、1人1人の能力が日本と海外でどっちが高いみたいな話の以前に、規模で圧倒的に差があるから、プロダクトへの投資余力でもう勝てない構造になっちゃってるわけ。

(いや、ビジネスサイドの「利益を出す力」もけっこう差があるかも...まぁ本筋ではないから、一旦いいや)

GoogleにいたときもAppLovinにいたときも、今のSmartlyでも、正直プロダクトで日本の会社に負ける気は一切しなかった。日本っていう特殊な市場への適応に多少時間はかかるけど、とはいえ後から余裕で引っくり返せるよね、って感覚がずっとある。

同じことが今は中国についても言える。所得水準が上がったらインドもかな。

この状況を変えようと思うと取り得る打ち手は2つしかないと思ってて、

①日本からもグローバル向けにプロダクトを展開する
②グローバルプラットフォームより上手くやる

①については非英語圏からグローバルにプロダクトを展開できてる、ヨーロッパ(北欧とか)の事例が参考になるんじゃないかって思ってる (余裕できたら研究したい)。

②は例えばLINEとかYahooみたいな、アドプロダクトの力で真っ向勝負というよりは、やっぱ日本人に使われるC向けプロダクトは日本で作ったほうがユーザーは押さえられるよね、みたいなアプローチのイメージかな。

Gunosy, SmartNewsとかも。スマニューはUSで本当にトップシェアをとれたら面白いよね。世界中から超優秀なエンジニアを雇って、GAFAに負けないパフォーマンスを出せる広告プラットフォームを作れたら、って考えるとすごい夢ある...

所得トップ1-2%層向けのサービス・プロダクトを作る会社が、日本から出てくるのか?

すがけんさんの記事に、ロレックスやLVMHなど、所得上位1-2%の層をターゲットにして成長している企業がいくつか出てきました。

いま日本で、同じように高所得者をターゲットにしたサービスやプロダクトを提供する新興企業・スタートアップがどれぐらい出てきているかというと...不勉強ながら、まったく思いつかない。。どこか成功しているとこあったら教えてください><

自分が日本でそういう会社を立ち上げるかと言われると、(大きく成長させるのを目指すのであれば) 絶対やらない。

単純にマーケットが小さすぎるんよね。。例えば、保有している資産が世界で上位10%に入る人(いわゆる「富裕層」)、中国とアメリカにはそれぞれ約1億人いるわけです。日本の成人人口の合計とほぼ同じ。

画像3

富裕層向けにビジネスをやるのであれば、日本人相手にやるのはマーケットが小さすぎて割りに合わない - 少なくとも、上場できる規模に急成長させるのは難しい (日本の富裕層の多くは恐らく年配の方なので、全く新しいものを買わせるのは更に困難)。

なので、いわゆるスタートアップとして日本人のC向けの事業をやるのであれば、一部の例外的な分野を除いては、マス層 - これから更に所得が減る - をターゲットにせざるを得ないのだ。(異論あったら教えて欲しい)

単一事業ではなく、高所得者向けに複数の事業を展開して合わせ技一本、とか、B向け事業と組み合わせて、とかならアリかも!

高所得者向けのサービス・プロダクトをやるのであれば、最初からアメリカとか中国とか、大きなマーケットで買ってもらうことをゴールにしないと厳しい (大きなビジネスには出来ない) んじゃないかと。

これから先どうしよっか?

いま日本人のマス向けにtoCビジネスをやってる会社は、多分これから先もっときつくなります。(ざっくりw)

海外からはより生産性の高い企業が参入してきます。黒船です。

デジタル広告のところで書いたのと同じロジックで、生産性で負けない (少なくとも同等レベルにする) ためには、自分たちもより大きな市場に出ていく必要があります。

でもね、新しい市場への参入ってほんと大変です。(海外から日本にゼロから参入するってのをずっとやってるからわかる。大変。ほんと大変。2回言った)

なので当然、正しい戦略もですが、体力も必要です。キャッシュが必要。何らかファイナンスをするのでなければ (仮にしたとしても) 利益率を高める必要がある。当然この文脈だと、トップラインを上げるのではなく、コストカットによって。

カットするコストは人件費になるよね。トップライン下げられないから、広告宣伝費を大きくカットするわけにはいかないもん。

日本の経営におけるめちゃんこ大きな足枷って解雇規制だと思ってて。外資系に染まった身からすると、正社員をクビにできないのって凄いもどかしい。モニョモニョする。

(このトピック、別の単体noteで書こうかな...ってぐらい言いたいことある)

解雇できないから、生産性低い人の給料分が、生産性高い人の給料から削られてる (極論です) わけで。そんな会社に、本当の意味で優秀な人は留まってくれないでしょう。デキない人がしがみついて、残り続けるスパイラル。

もし正社員の解雇規制が速やかに変わらないのであれば、従業員を全員業務委託契約に変えるべきだと思うんですよね。副業推進の流れにも沿ってるし、けっこう良いんじゃない?年功とかじゃなくて、パフォーマンスに応じて適切に評価される世界。

「成果主義」って言葉自体は昔からあるけど、自分の周りを見てる限り、自分の腕で食っていける自信がある人からどんどん独立してフリーランス的に雇用される形に移行していってるように見えます。

ただ残念ながら、自信が「ない」側の人は、自発的にそういう動きをすることはない。当然。なのでトップダウンで組織全体に対してやるしかない。出来ないところは...最終的には、じわじわと滅びていくんじゃないかなぁ。それだと全員が等しく不幸になるから、さっさと「痛みを伴う改革」しちゃったほうが良いはずなんだけどな。

画像4

日系大企業で働いてる皆さん、肌感覚で、1日のうち「無駄な仕事」に費やしている時間ってどれぐらいありますか?自分の周りに「この人いなくても別に仕事回るな」って人は何割ぐらいいますか?

暴論かもしれないけど、どうだろう、2-3割ぐらい人が減ったところで、やり方さえ効率的にすれば、十分回ると思いません?半分ではどうですか?

定期的にbuzzる「無駄な〇〇はやめよう」系の記事で言われているような改善・改革を、全部やって、人もドラスティックに削って筋肉質にして、数年間 (10年かかるかも) の先行投資に耐えられるようにして、ガチで世界市場を取りに行きましょうよ。

そういう変化がここから先の20年で起きると思ってるし、起きないとほんとに日本の会社はどうしようもなくなっちゃう - 優秀な人材は全部外資系とスタートアップにとられて、真綿で首を締められるように衰えていく - って危機感があります。

好き勝手書いたけど、愛ゆえの厳しい言葉です

最後のほう、すがけんさんの記事あんま関係なくなっちゃった。笑

実はわりと真剣に、未来については日頃から考えているし、自分に出来る提言とかノウハウ共有とかやっていきたいんですよね。外資系企業でずっと働いてるの、それが楽しいってのもあるけど、一定割合「諜報活動」をしているつもりでいる。グローバル企業のベストプラクティスを盗むぜ。

諦めでもないし、無責任な批判でもない、つもりなので、どうかどうか、この記事が変に炎上しませんように...!(最近ボヤ🔥出したばかりなので怯えてるw)

これまでになく支離滅裂な文章。伝わるかな。コメントでもSNSシェアでも直メッセでもいいので、ご意見ご感想いただけると嬉しいです❗️

いいなと思ったら応援しよう!

Tatsuo Sakamoto (坂本 達夫)
この記事が学びになったよという方は、少しでもサポートいただけると、今後も役に立つ記事を書くモチベーションになります。記事への「スキ」やSNSシェアも大歓迎です!応援してください!