ぼくの仕事は『3年後の当たり前を作る』ことです
ぼくは楽天・Google という大企業を卒業したあと、AppLovin・Smartly.io と『外資系スタートアップの日本進出 現地第1号社員』というのを歴任しています。(現在進行形)
よく聞かれる質問で『入る会社をどうやって選んでいるの?』というものがあります。
あんまりちゃんと考えたことなかったんですが、これまでのチャレンジに共通しているのは『3年後に当たり前になっている概念を、いち早く見つけて、日本に広める』というものではないかなと思いました。
ちょっと大げさかな?笑
どういうことか解説しますね。
Google時代:『モバイルやアプリでビジネスをする』ことを当たり前にしようとしていた
最初にそれを意識し始めたのは Google にいた頃。 AdMob と言うスマホアプリの広告プロダクトを担当していたんですが、初めの頃 (2012年ぐらい) はまだ『企業の皆さん、アプリを作りましょう!』という啓蒙をしなければいけないほど、『アプリでビジネスをする』というのが当たり前にはなっていませんでした。
今だと信じられないですよね。でも当時は実際『Go Mobile』とか言ってたんですよ。
そのような環境下で、社内の色々な部署の人と協力しながら『アプリを作ろうよ』というだけではなく『アプリでどのようにビジネスとして成功させられるか』というのを考えて、メッセージとして発信していました。自分自身の営業数字 (広告売上) を達成させるのと並行して。
営業数字を達成させることだけを考えたら、前半部分の啓蒙活動とか別にやってもやらなくても良かったんですけどね。なんか、それだけだと物足りないというか、『ぼくがやる意味って何なんだっけ?』とか考えちゃうんです。
んで3年ぐらいたって『アプリを作ってビジネスする』というのが割と当たり前のこととして認められるようになる頃には、元々のメッセージはもはや最先端でもなんでもなくなっていたので、ぼくは割と興味を失った...ような記憶があります。
AppLovin時代:『動画リワードでマネタイズ』『ROASでユーザー獲得』を推しまくっていた
Google から AppLovin に移ったタイミング (2015年頃) では、マネタイズ側では『バナーやインタースティシャル広告ではなく動画リワードを使う』というのが日本ではまだ全く一般的にはなっていませんでした。
一方、プロモーション側では、『とにかく CPI を安く抑えたマーケティング』というのが主流で、『ROAS (広告費用対効果) を見たユーザー獲得』というのをやっている会社はほとんどありませんでした。ブーストとか普通にありましたからね。
時代の波がそちらに向かっているということもあって、『動画リワードでマネタイズ』『ROAS を見てプロモーション』というのを大きなメッセージとして繰り返し発信し、その文脈の中で AppLovin のプロダクトを広めていきました。運良くそれがビッグウェーブになり、波に乗って AppLovin は在籍中の3年間で、日本で大きくビジネスを成長させることができました。
(自分ひとりで成功させた訳ではないですよ、勿論)
AppLovinでの晩年:ハイパーカジュアルの伝道師みたいになってました
AppLovin の最後の1年 (2018-2019年) は、ハイパーカジュアルと言う新しいゲームのカテゴリーに挑戦しました。ぼくが『みんなハイパーカジュアルやろうぜ』と言い始めてから1年ほど経ち、AppLovin を卒業する頃ぐらいから、嬉しいことに日本発のゲームが立て続けに米国 AppStore のランキングに載るようになりました。
ハイパーカジュアルはわりと新興企業・インディーデベロッパが対象だったので、3年はかからなかったですね。ただ、今頃になってようやく大手ソシャゲ企業が『うちもハイパーカジュアル参入します』と言い始めているのを見ると、まぁやっぱ大企業は2-3年だよなぁ。
一旦まとめます
そんな感じでぼくは、『既に市場で一般的に認められたコンセプト・テクノロジー・概念をさらに伸ばすこと』や、『その中でシェアの争いをすること』にはあまり興味がなく、一方で『5年後、10年後といった想像もつかないぐらい遠い将来のこと』をやるわけでもなく、
『今後2-3年ぐらいでおそらく来るだろうという波を発見』し、『その波に乗って伸びる可能性があるイケてるプロダクトを海外から持ってきて』、『最先端のコンセプトとともに日本に広げる』ということをずっとやってきている...のかもしれません。初めてちゃんと言語化してみた。
Smartly.ioでは『SNS広告運用の新しい当たり前』を作っています
その意味では、今働いてる Smartly.io という会社では、 デジタルマーケティングとか SNS 広告という領域で、『広告の運用なんて誰も手作業で行っておらず、ほぼ自動化されている』とか、『デザイナーがツールを活用して、同じ工数で今の何倍・何十倍もの数の、質の高いクリエイティブを作れる』とか、そういう未来を作りにいっています。
DX という言葉が割とバズってますが、SNS 広告の領域をデジタル・トランスフォーメーションしにいっている、と言うことも出来るかもしれません。
3年後、SNS広告ってどういう風に運用されてるかな?今やってる業務のうち、3年後も変わらず続いてるものは何だろう?3年のうちに無くなっているであろう作業は?その分、新しく何を始めているのかな?
誰よりも早く『未来』に触れたくないですか?
ただ、このやり方は『最先端なこと』がやれて楽しい反面、苦しいこともあって。それは『すでに一般に受け入れられた概念やプロダクトしかやらない・やれない・やりたくない保守的な会社や人』には中々受け入れられないこと。
なので、『競合よりも早く、誰よりも早く、最先端のテクノロジー・ソリューション・コンセプトを使って、先行者利益を得たい』という、先進的な会社や人を見つけないといけないのです。
この記事がすんごい分かりやすいんですが、『最初に火縄銃を導入する人』を探さないといけない。けっこう、大変なんですよね。笑
そういう人を見つけるまでに時間がかかります。幸い、AppLovin の時にもそういう広告主や代理店を見つけることができたし、今の Smartly.io でも (AppLovin の頃より時間はかかりましたが) 最先端な取り組みに興味・理解がある会社や人と、ようやくこの半年ぐらいで一緒にお取り組みできるようになってきています。
まだまだこのタイミングでも十分アーリーアダプターだと言えるので、Smartly.io がどんなものか聞いてみたい・使ってみたいという方は、ぜひお気軽にお声掛けください! ⤵︎⤵︎⤵︎
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