Tatsuo Sakamoto (坂本 達夫)
僕のエンジェル投資のスタイル - EXIT編
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僕のエンジェル投資のスタイル - EXIT編

Tatsuo Sakamoto (坂本 達夫)

外資サラリーマン & エンジェル投資家の坂本達夫です。『エンジェル投資のお作法』についての連続記事の第 3 弾です。このシリーズは今回で最後になります。(リクエストがあったらまた書きます) 前回記事を読みたい方はコチラをどうぞ。

ちなみに前回までの記事を読んで、YouTube も観てくれて、なんとお布施 (サポート) までしてくださった方がいました!ほんと有り難い…
懐もですが、心が潤うと、発信して良かったなと思いますね。皆さんのコメント、シェア、課金が僕の栄養分です。

それでは本編スタートです。

エンジェル投資した会社の株を売る

>> IPO 以外の EXIT で、株を売るパターンもあるんですよね。M&A される以外に、スタートアップ自身が買い戻したい、あるいは別の会社が買いたいみたいなパターンもあるんですか?

僕の場合は今のところ、途中で買い戻された経験ないんですけど、そういうケースを聞いたことはありますね。僕の投資先でいうと、IPO 準備中のところはあれどまだ 1 件も出ておらず、M&A が何度かありました、というぐらいです。

ただ、おっしゃるとおり、途中で株主を整理して数を減らしたいとか、あまり日本だとないですけど、海外とかだとセカンダリーといって、未上場スタートアップの株のやりとりみたいな市場があったりもするので、そういうところで売ったりという機会も今後は出てくるんじゃないかなとは思います。 

>> 手放すときのお作法みたいなのもあったりするんですか?

極論、金融商品を投資家が保有しているというだけなので、売りたいときに売る自由も、売れと言われたのに売らない自由も、投資家にあるというのが原理原則です。もちろん契約とかで制限されている場合を除いては、ですが。

あとは関係性や自分のポリシーになるのかなと思いますけどね。僕は、売ってくれと言われたら基本的には売ろうと思っています。例えば株主を整理したいみたいなニーズが、彼らや、彼らにとって重要な VC にあるんだったら、売ってあげたほうがスタートアップのためになる。

あと、寂しい話ではありますが「もう坂本さんがうちの会社に value add (付加価値の提供) できるフェーズは終わりました」というふうにも見れなくもないわけです。そういうタイミングが来たら文句を言わずに、面倒くさいやつにならずに(笑)、売ろうと決めているという感じです。

ちなみに、過去に僕の投資先で、株を一部持ってもらっていた取締役と喧嘩別れすることになって、その人から株を買い戻す交渉でめちゃくちゃ苦労したところもありました。向こうはなるべく高く売りたい、こっちはなるべく安く買いたい、で双方ロジック作って弁護士立ててハードな交渉…

そういうネガティブな状況で重要になってくるのが契約なんですよね。そのときは契約書がけっこう不利な内容だったので、嗚呼…ってなりました。

心の中で簿価をゼロにするという精神安定方法

>> それだとリターンが出ないとか、待てばもっとリターン大きくなるのに、みたいな場合もですか?

完全に僕の個人的な哲学なんですけど、投資した瞬間にその株価を僕の頭の中でゼロ円にしているんですよ。そしたら、仮に会社がつぶれても「さらにマイナス」ではないわけです。例えば社長が「しんどいわ、マジでメンタルヤバいわ」となっているときに、僕の心の中での簿価がゼロだと「じゃ、もう会社畳もうよ」と言ってあげられる。

ダウンバリュエーションになって、例えば 100 万円投資したのが 10 万円のリターンにしかならなかったとしても、心の簿価をゼロにしていれば「90 万円損した」ではなく「おおおおお 10 万円儲かった」ってなるんですよ。

そっちのほうが自分の気持ち的に安定していられるから、そうしようと決めている。逆に言うと、投資するとき「この人だったらゼロになってもいいや」って思えるかどうかというのは、心のデューデリジェンスというか判定基準の 1 つにはなっていますね。

あと、ぶっちゃけ、ゼロになってもいいぐらいの金額しか出さない。僕が、例えば 1,000 万円出しちゃうと、それがゼロになったら多分、気が狂うと思うんですよね。なので、1 社あたりには気が狂わない金額しか出さない、という範囲でやっている感じです。 

>> 手放すタイミングで、坂本さんが一番多かったのは M&A なんですね。 

今のところは M&A ばかりですね。ちょっと価格が上がって M&A されたというパターンもあれば、ほぼ救済に近い、優先株の株主がほとんど持っていっちゃって、創業者も含めて普通株主には全然返ってこなかったみたいなディールも、中にはありました。 

エンジェル投資は期待リターンが高くなる構造にあるのではないか、という仮説

>> こればかりは確率論ですよね。でも宝くじよりかは全然、高いんだろうな。 

高いと思いますよ。個別で見ると、打率は必ずしも高くはないとは思うんです。短期的に 5〜10 年とかで見ると、その間に投資した金額以上で EXIT できる確率って、いいとこ 50% という感覚。

ただ、良いと思う人にだけ、分散して投資していれば、宝くじよりは期待リターン高いと思います。10 社出して 1 社 IPO、そこが 100 倍になりました、とかは全然あり得る話で。

VCやファンドは、お金を集めているので投資 “しなきゃいけない” から、玉石混交というと言葉は悪いですが、どうかな〜みたいなところも出しちゃう時があると思うんですよね。特に、良いリードソースが確立できていない、立ち上げたばかりのシード VC とか。イメージですが。

自己資金でやっているエンジェルは投資 “しなきゃいけない” っていう義務がないので、本当に良い会社や良い人、または良い人からの紹介だけ、っていうふうに絞れるじゃないですか。その側面だけを切り取ると、VC よりも打率を上げることができると、個人的には思っています。

その中で 10 倍以上のやつが 1 個でも出れば、全体としてリターンが出るわけじゃないですか。ちょっとずつ分散すれば、長い目で見れば金銭的にもリターンが出ると僕は思っていて。

ただでさえすごく勉強させてもらえるのに、金銭的リターンも結構な確率で見込める、なんていい趣味だ!と思っています。

>> 自分もそこまで行きたいな。精神とか哲学まで話していただいてすごく参考になりました。 

テクニカルな話が一切なくて恐縮です。笑 

>> 坂本さんにそういうお話が集まる理由もわかるというか、すごくいいエンジェルなんだなというのもすごく感じましたね。 

起業家から見ればそうかもしれないですけど、逆に厳しいことも言ってちゃんと鍛えて育ててあげている投資家から見ると、甘すぎるという見方もあるのかなと自覚はしています。その辺も役割分担かな、って感じですかね。

>> そうですよね。すごく勉強になりました。また分からないことがあったら聞いていいですか? 

いつでも聞いてください、自分の頭の整理にもなるので。


そんなかんじです!最後に、僕がスタートアップ界隈の色んな人に色んなトピックを深掘りインタビューする YouTube チャンネルをぜひチャンネル登録してもらえると嬉しいです。この blog みたいな話が好きな方にとっては、面白いと思ってもらえるはずです👍


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Tatsuo Sakamoto (坂本 達夫)

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Tatsuo Sakamoto (坂本 達夫)
モバイルアプリマーケティングの専門家です。外資系広告プラットフォーム企業勤務。ちょっぴりエンジェル投資なんかもしてます。アプリ開発もやってます。